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鏡開きとは何か?この言葉を聞いたことはありますか?日本の伝統や文化に触れる機会が増える中で、鏡開きについての知識や意義が曖昧になっている方も多いかもしれません。実は、鏡開きには深い意味や起源があり、それを理解することで日本文化の魅力を再発見できるのです。この記事では、鏡開きの意味と由来、いつ行うのか?やってはいけないNG行為について解説いたします。
鏡開きとは?
鏡開きは、日本の伝統的な行事であり、新年の到来を祝うための重要な儀式の一つです。この儀式のルーツは非常に古く、神仏への感謝の念や家族の健康と繁栄を願う意味が込められています。正月に神様や仏様に捧げた鏡餅を取り下ろし、家族で分かち合って食べることで、新しい年の幸運と家族の結びつきを祈ります。
鏡開きの意味は?
鏡開きは、1月11日に正月の飾りである鏡餅を取り下げて食べる行事です。2024年の1月11日は木曜日に当たります。通常は包丁を使用せず、手や木槌で鏡餅を割ります。11日間も飾られていた鏡餅は乾燥しており、刃物を使わなくても割りやすくなっています。割った鏡餅は、お雑煮やお汁粉に加工されることが一般的です。
年神様が宿るとされる鏡餅には、魂が宿ると信じられています。年神様の力を受け、家族の無病息災を祈り込めて鏡餅を食べることが鏡開きの儀式です。鏡餅を単に飾っておくだけでなく、取り下げて食べ終えることによって、鏡餅が本来の使命を果たすのです。
最近では、パック詰めされた鏡餅が増えており、食べる際に便利ですが、すべてのお餅から作られた鏡餅でも、神様に対する敬意を忘れず、ひとつ残らず食べたいと思いますね。
鏡開きの由来は?
鏡餅は、年神様が家を訪れる際の神聖な存在で、いわば神様の滞在場所とも言えます。また、鏡餅の中には、人間と同じように霊魂が宿ると信じられています。そのため、「切る」や「割る」といった表現は縁起が悪いとされ、末広がりの意味を持つ「開く」が用いられ、「鏡開き」という名称が生まれました。
鏡開きは、いつ行うのか?
鏡開きは、1月11日に執り行います。このため、年神様が宿るとされる「松の内」期間の1月7日を過ぎたら、他の正月の飾りを取り下げても、鏡餅はそのまま飾っておいても問題ありません。ただし、松の内の期間は地域によって異なり、関西地方などでは1月15日までとされています。したがって、1月15日が松の内の最終日である場合、鏡開きは通常1月20日に行われることが一般的です。地域の習慣に従って計画を立てましょう。
鏡開きは、お供えしていた鏡餅を取り下げ、無病息災を祈りながら食べる儀式です。お供え物に刃物を向けることは縁起が悪いとされ、包丁を使わずに木槌で割ります。ただし、「割る」という言葉も縁起が悪いと考えられているため、「開く」という表現が用いられています。
鏡開きでやってはいけないNG行為とは?
鏡開きの儀式は、武家の伝統から派生した習慣の一つです。そのため、縁起の良いとされる鏡餅を刃物で「切る」ことは、「切腹」を連想させるため忌避されてきました。また、包丁を使って切る行為は「縁を切る」とも関連付けられ、縁起が悪いとも考えられているようです。そのため、鏡餅を食べやすい大きさに調整する際には、「切る」の代わりに木槌や金槌などで「割る」ことが推奨されています。基本的には「切る」という行為を避けるべきであり、それ以外の方法であれば何を使っても問題ありません。
また、鏡餅を飾ったまま長らく放置せずに食べることは、神様への不敬とみなされます。できるだけお餅を残したり捨てたりせず、すべてを食べるように心がけましょう。家族の無病息災を願うため、できる限り家族全員でお餅を召し上がりたいものですね。
鏡開きのやり方
乾燥した鏡餅を食べやすい大きさに叩き割る
これまでに鏡餅は刃物で切るべきではないと述べてきました。伝統的なお餅でできた鏡餅は通常、飾られている間に乾燥する傾向があります。実際には、ひび割れて乾燥した状態のほうが、木槌などで割りやすくなります。木槌が手元にない場合、金槌を使用しても問題ありませんが、鏡餅が硬い場合は、割る際に破片や粉が飛び散る可能性があるため、新聞紙などで包むと良いでしょう。
乾燥が足りない場合、柔らかくして手でちぎる
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