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「バター」と「マーガリン」は見た目や使用方法が類似していますが、成分、製造方法、栄養成分、味には明確な違いがあります。「バター」と「マーガリン」の違いについて調べましたので徹底解説いたします。
バターとマーガリンの違いは?
バターは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」、マーガリンは「日本農林規格(JAS規格)」に基づき、内容や製法などが指定されています。バターは乳脂肪分が80%を超えると規定され、マーガリンは油分が80%以上でマーガリンとして、油分が80%未満のものはファットスプレッドとして分類されます。「バター」と「マーガリン」の違いについて「原料」、「製造方法」、「栄養成分」、「風味の違い」について見ていきましょう。
バターとマーガリンの原料の違い
バターは、主に牛乳の脂肪分から出来ていますが、マーガリンは、コーン油、大豆油、パーム油、なたね油、綿実油などを基に、乳または乳製品、塩、ビタミンA、乳化剤、着色料などを混合して製造します。 使用する原材料により、異なる硬さや風味の商品が生まれます。
バターとマーガリンの製造方法の違い
バターは、牛乳から取り出したクリームを混ぜて、乳脂肪をまとめて製造されます。 一方、マーガリンは、食用の油に水や塩、乳の成分、ビタミン等を追加して乳化させ、冷却して固化させて製造されます。
バターとマーガリンの栄養成分の違い
バターには、高品質の乳脂肪とビタミンAがたっぷりと入っています。 マーガリンも脂肪の量はほぼ同じですが、原材料の違いから、含む脂肪酸やコレステロールの含有量に違いが見られます。
表1 バターとマーガリンの栄養分比較(100gあたり)
引用元:日本食品標準成分表2020年版(8訂)より
バターとマーガリンの風味の違い
牛乳固有の濃厚な香りと味わいを持つバターは、料理やデザート作成に必須です。一方、マーガリンは、さっぱりとした風味が特徴です。
バターとマーガリンの歴史について
バターの歴史
バターの起源についての詳細は不明ですが、古代インドの文献には紀元前2000年ごろから似たような食材が存在したとの記述が見られます。はじめは健康や美容のためのものとして使われており、食としての使用は紀元前60年頃から始まったとされています。
マーガリンの歴史
マーガリンは1869年にフランスで開発されました。当時、フランスは隣接するプロシアとの戦争中で、バターの不足を補うため、ナポレオン3世が代わりとなる食材の開発を公募しました。これに基づき、メージュ・ムーリェという科学者が、牛脂と牛乳を組み合わせ、冷やして固める方法を提案しました。
まとめ
「バター」と「マーガリン」の違いについて解説いたしました。
1.バターとマーガリンの違いは?
(1) バターとマーガリンの原料の違い
① バター:牛乳の脂肪分
② マーガリンは、コーン油、大豆油、パーム油、なたね油、綿実油などを基に、乳または乳製品、塩、ビタミンA、乳化剤、着色料など加えて作る
(2) バターとマーガリンの製造方法の違い
① バターは、牛乳から取り出したクリームを混ぜて、乳脂肪をまとめて製造する。
② マーガリンは、食用の油に水や塩、乳の成分、ビタミン等を追加して乳化させ、冷却して固化させて製造する。
(3) バターとマーガリンの栄養成分の違い
① バターには、高品質の乳脂肪とビタミンAが豊富。
② マーガリンも脂肪の量は同等であるが、脂肪酸やコレステロールの含有量に違いがある
(4) バターとマーガリンの風味の違い
① バター:牛乳固有の濃厚な香りと味わいを持つ
② マーガリン:さっぱりとした風味が特徴
2.バターとマーガリンの歴史について
(1) バターの歴史
起源についての詳細は不明、古代インドの文献に紀元前2000年ごろから似たような食材が存在したとの記述あり。食としての使用は紀元前60年頃から始まったとされている。
(2) マーガリンの歴史
1869年にフランスで開発された。バターの不足を補うため、ナポレオン3世が代わりの食材の開発を公募したことがはじまり
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