写真はイメージです
桃の節句に合わせて飾る雛人形、その飾る期間についてご存じですか?特に片付ける時期には、「遅れると娘の結婚が遅れる」という言い伝えがあり、関心を持つ方も多いでしょう。この記事では、雛人形を飾る適切な期間に加え、飾り方や雛人形の種類についても詳しく解説します。
雛人形は、いつからいつまで飾ればよいの?
実は雛人形を飾る正確な期間は定められていませんが、ひな祭りの直前に慌てて飾る方や、長期間飾り続ける方もいるかもしれません。そんな不安を解消するため、雛人形を飾る適切な期間の目安をここでご説明します。
雛人形はいつから飾る?
雛人形は、通常は、立春(2月4日ごろ)から桃の節句(3月3日)の1週間前までに設置するのが一般的です。桃の節句が春を象徴する行事であるため、春の始まりとされる立春に合わせて飾るのが良いともされています。しかし、立春に固執する必要はありません。節分(2月2日)が過ぎたら雛人形を飾る、と考えると分かりやすいでしょう。
雛人形はいつまで飾る?
雛人形の片付けは、「桃の節句(3月3日)が過ぎた後、早めに行う」ことが推奨されています。その主な理由は、桃の節句の祝いが終われば、雛人形の年間の使命も完了するからです。雛人形を遅くまで飾っていると婚期が遅れるという迷信もありますが、これには実証的な根拠はなく、過度に心配する必要はありません。ただし、雛人形は湿気に敏感なため、天気の良い、湿気が少ない日に片付けることが望ましいです。
雛人形の種類と飾り方
雛人形は、さまざまな人形と小道具で構成される複雑な飾り物です。お内裏様とお雛様の配置や、手に持つ小道具、ぼんぼりなどの飾り物の正しい配置は、時には混乱を招くかもしれません。この記事では、雛人形の正しい飾り方や、飾る際の重要なポイントを分かりやすく解説します。
親王飾り(二人飾り)の飾り方
親王飾り(二人飾り)
最近、置き場所や収納の都合から親王飾りが人気を集めています。この形式では、内裏雛(男女のペア)のみを飾り、室町時代にはこれが一般的でした。
親王飾りでは、通常、向かって左に男雛、右に女雛を配置する江戸雛が多いですが、位置が逆の京雛も存在し、現在は少数派です。
屏風があれば、内裏雛の背後に立て、左右にぼんぼりや燭台を配置します。男雛には右手に杓、左腰に太刀を、女雛には両手の上に扇を配します。
また、男雛の右側に橘や白梅、女雛の左側に桜や紅梅を置き、樹木の配置は京雛と江戸雛で共通です。菱台や三方があれば、それを両者の前に置き、親王飾りの飾り付けを完成させます。
五人飾り(二段・三段)の飾り方
五人飾り
五人飾りは、内裏雛と三人官女を含む雛人形のスタイルです。通常、二段または三段飾りが一般的で、最上段には先に説明した方法で男雛と女雛を配置します。
二段目には、左から順に堤子の官女、三方を持つ座り官女、長柄の官女を飾ります。中央に配置する道具やお餅を加えて、二段飾りが完成します。
三人の中に立ち姿と座り姿の官女が混在している場合、座り姿を中心に配置し、足が前に出る方向を外側に向けます。姿の違いがなければ、上記の順番で配置します。
三段飾りの場合、最下段には婚礼道具を飾ります。左から橘、婚礼道具数点、そして桜を配置します。一段目には橘と桜は飾らず、婚礼道具は見た目が良くなるように配すると良いでしょう。
十人飾り(三段飾り)の飾り方
十人飾り
十人飾り(三段)では、上段に紹介した内裏雛と三人官女に加え、五人囃子が含まれます。二段目に三人官女を配置した後、三段目に五人囃子を並べます。
配置は左から太鼓、大鼓(おおつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛、謡(うたい)の順序です。小道具も増えるため、配置に注意が必要です。太鼓には台とばちを、鼓と笛にはそれぞれを持たせ、謡には扇を持たせる形にします。
十五人飾り(五段、七段)の飾り方
十五人飾り
十五人飾り(五段)の場合、三段目までは既に説明した方法で飾ります。
四段目には随身(ずいしん)を配置します。向かって右に年配の左大臣、向かって左に若い右大臣を置きます。両者が同年代であれば、より格式の高い濃い色の衣装を着た人形が左大臣となります。
四段目に大臣を配した後、間に仕丁を配置します。配置は右大臣、台傘の仕丁、沓台の仕丁、長傘の仕丁、左大臣の順です。
五段目には橘と桜に挟まれた形で婚礼道具を配置します。最近では四段目に大臣と婚礼道具、五段目に仕丁三人を配置し、橘と桜で仕丁を囲む方法もあります。購入時の指示に従うか、バランスを見て個人的な好みで飾るのも良いでしょう。
十五人飾り(七段)では、四段目の大臣の配置は同様で、真ん中に菱台二つと両側にお膳二つを配置します。五段目は橘、仕丁(台傘)、仕丁(沓台)、仕丁(長傘)、桜の順に。
六段目には小道具類、七段目には駕籠や御所車などの大きな婚礼道具を配し、見栄えを良くすると良いでしょう。
これで十五人飾り(七段)の設置が完了します。
雛人形を飾る場所は?
雛人形を飾る場所に決まりはある?
雛人形を置く場所に固定のルールは存在しませんが、年に一度の特別な時期に飾られる人形なので、多くの人の目に触れる場所が適しています。
さらに、カビやその他の問題を防ぐためには、良好な換気が可能な場所を選ぶことが重要です。家族全員でひな祭りを楽しむためにも、リビングなどの明るい部屋での展示がお勧めです。
雛人形を飾ってはいけない場所は?
特定の場所での飾り付けに明確なルールはないものの、避けるべき場所は存在します。
第一に、直射日光が当たる場所は避けましょう。紫外線は人形を損傷させ、着物の色褪せの原因となり得ます。 次に、湿度が高い場所も良くありません。雛人形の大敵であるカビが生じる可能性があります。 重要なのは飾る場所そのものよりも、その環境が人形にとって適切かどうかを注意深く考慮することです。
まとめ
雛人形に関する以下のことについてお伝えいたしました。
1.雛人形は、いつからいつまで飾ればよいの?
(1)雛人形はいつから飾る?
⇒ 立春(2月4日ごろ)から桃の節句(3月3日)の1週間前までに設置するのが一般的です。
(2)雛人形はいつまで飾る?
⇒ 桃の節句(3月3日)が過ぎた後、早めに行うことが推奨されています。
2.雛人形の種類と飾り方
(1) 親王飾り(二人飾り)の飾り方
⇒「親王飾り(二人飾り)の飾り方」を参照
(2) 五人飾り(二段・三段)の飾り方
⇒「五人飾り(二段・三段)の飾り方」を参照
(3) 十人飾り(三段飾り)の飾り方
⇒「十人飾り(三段飾り)の飾り方」を参照
(4) 十五人飾り(五段、七段)の飾り方
⇒「十五人飾り(五段、七段)の飾り方」を参照
3.雛人形を飾る場所は?
(1) 雛人形を飾る場所に決まりはある?
⇒ 雛人形を置く場所に固定のルールは存在しませんが、多くの人の目に触れる場所が適しています。
(2) 雛人形を飾ってはいけない場所は?
⇒ 直射日光が当たる場所は避けましょう。
⇒ 湿度が高い場所も良くありません。
【関連記事】
3月のイベントや行事のネタ!その意味や由来を徹底解説!!
コメント